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過ぎ去った時間は戻らない。けれど、記憶は永遠。 舞台や本など、残しておきたい時をきまぐれに更新中。
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今日は本の話。

雪冤
大門剛明による日本の推理小説。
2009年の第29回横溝正史 ミステリ大賞で大賞とテレビ東京賞をダブルで受賞した作品。

先日テレビでチャンネル回していたら、死刑囚の息子と対面する父親の場面と出くわした。
私が観たのはたったそれだけだったんだけど、心に引っかかるものがあって調べてみたら、
2010年に放映されたドラマで、原作が先の「雪冤」(ドラマのタイトルも同じ)
ドラマは原作と設定が若干違うらしいのだけど、とにかく本を読まねばと購入。
久しぶりに本の世界に入り込んだ。
抜け切れずに読後は何も手につかなかった。
内容は冤罪や死刑制度を取り扱っていて重いのだけど、読みやすい文章で一気に引き込まれてしまいました。
現世界に戻るのに時間かかったよ…
つかれた…

ざっと説明すると、元弁護士の男の息子が殺人の為死刑を宣告されます。
亡くなったのはボランティア活動を一緒にしていた女性と男性の2人。
死亡現場の女性の家から出るところを、女性の妹に見られてしまいます。
が、息子は無罪を主張。
いつ死刑執行になるかわからない息子の為に、再審を求める為奔走する父親の元に「息子さんは犯人ではない。」との告白の電話がかかります。
同じころ被害者の妹へも同じ内容の電話がかかってきます。
犯人を憎んでいた妹も次第にこれは冤罪ではないのかと考えるようになりますが、真犯人がいる確固たる証拠がない為、担当弁護士が再審請求をためらっていたところ、息子の死刑が執行され…。
色々な糸が絡み合って起こった事件を、父親が執念と弁護士として培ってきたカン(とでも言えばいいのか)で、真相を解き明かしていくのですが、事件に関わった人たちの感情がなかなかやっかいで、この人が犯人?かと思えばフェイクだったり、最後まで予断を許しません。
冤罪と死刑制度についても、被害者、加害者側からの視点で描かれていて考えさせられます。
また息子が命を懸けてまで「犯人」を守ろうとする思いや(脳内で補完が必要かも)
真実を隠蔽するその意思を継ぐ者が現れて正義(=愛)とは何かも問いかけてきます。

最初と最後に「Soon-Ah Will Be Done(黒人霊歌)」の合唱シーンがあります。
他にも重要場面で使われています。
この曲は「もうすぐ私は終わりだ。神の御許に行く。」という内容だそうです。
「走れメロス」の内容も知って読んだほうがわかりやすいかもしれません。


許すことが最大の罰である。
読後に、クリスチャンの作家さんが書いておられたことを思い出しました。
この物語に出てくる人は、何かしら罪悪感を抱えていて、その感情が真実をより見えなくしてしまっているのですが、この罪悪感という感情は本当に厄介です。
罪悪感は負の感情なので、前に進むことができません。
罪悪感から解放されて、自分の進む道が見えたとき、本当の「雪冤」が始まる。そんな物語。






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